FIFA女子ワールドカップ!優勝候補はどの国?

今年7月20日から8月20日までの一ヶ月間、オーストラリアとニュージーランドの両国で開催される、第9回FIFA女子ワールドカップ大会。日本からもDFの熊谷選手や長谷川選手をはじめとした23人の選手が代表メンバーに選ばれ、三大会ぶりの優勝をめざします。

最近ではインターネットに接続できる環境さえ整っていれば、海外での試合もリアルタイムで観戦できる、便利な時代になりました。スポーツベッティングなどと合わせて楽しむファンも増えてきているとも言われています。

今大会では日本代表チームも優勝候補のひとつとして挙げられていますが、そんな日本の前に立ちはだかるのが、強豪国アメリカです。ここでは圧倒的な人気を誇るアメリカの女子サッカー界について覗いてみたいと思います。

意外?アメリカでの人気

アメリカで女子サッカーが人気と聞いて「あれ?」と思った方は多いのではないでしょうか?だって男子サッカーの強豪国と言えば、サッカー誕生の国・イギリスをはじめ、フランスやドイツ、スペインなど、いずれもヨーロッパの国がメインですよね。南米となればアルゼンチンやブラジルも、何度も世界大会で優勝経験がありますが、アメリカの男子サッカーの評判はそれほどでもありません。しかしそれに対してアメリカの女子サッカーは、なんと、ワールドカップ優勝は最多の3回、オリンピックでは金メダル4個、銀メダル1個を獲得、そしてFIFAランキングでは不動の1位と、まさに女子サッカー界のクイーンとして君臨しているといっても過言ではない記録を持っているのです。こうした強さの背景にはいったい何が存在しているのでしょうか?

タイトル・ナイン

強いだけでなく、国内での人気も圧倒的と言われているアメリカの女子サッカー。そのきっかけを作ったのは、1972年に成立されたTitle IX(タイトル・ナイン)と呼ばれる連邦法だと言われています。この『教育法第9篇』は、連邦政府から助成を受ける教育機関での性差別を禁止する法律なのですが、これにより、学校でスポーツをはじめる女生徒が大幅に増えたとされています。この法案が作られる以前の、1971年には全米の高校の女子サッカー人口はたったの700名程度でした。それがこの法案をきっかけに徐々に増え、女子ワールドカップが初めて開催された1991年には12万人まで増加したのです。そして1999年のアメリカ本国で開催されたワールドカップにおいて見事優勝を勝ち取ったことにより、国内における女子サッカー人気はさらに加速。2018年には、なんと、39万人に達するまでになりました。「アメリカでは男の子だけでなく、当たり前のように女の子もサッカーをプレイする。女の子だから劣っているというのは間違いだし、男の子だから勝っているというのも間違い」。こうした、力強いメッセージを常に発信し続けている意識も、アメリカ女子サッカーの強さの秘密のひとつなのかもしれません。

ナショナル・ウィメンズ・サッカー・リーグの存在

そんなアメリカの女子サッカーの人気と強さの象徴ともいえるのが、女子サッカーのプロリーグ『ナショナル・ウィメンズ・サッカー・リーグ(NWSL:National Women´s Soccer League)』です。それまでに存在していた二つのリーグを統一する形で2012年に創設されたNWSLには、現在12のサッカークラブが参加しています。そして何よりもその人気を証明しているのが、リーグの試合において常に平均5,000人以上の観客を集めているという、集客数の高さです。リーグ創設時から人気を牽引してきたサッカークラブ、ソーンズにいたっては毎回、ホームゲームに1万5000人が入るとも言われています。集客数の多さはそのまま女子サッカーの人気だけでなく、選手やチームの待遇にも直結していきます。男子チームと同じように、天然芝のグラウンドや、、ロッカーやミーティングルームも備えた施設で練習を行うことも可能なのです。こうした男女平等の待遇を求める活動でも、アメリカの女子サッカー選手たちは闘ってきました。アメリカにおいて彼女たちが評価され、常に高い人気を誇っているのは、こうした社会的メッセージが支持されているところも大きいのではないかと言われています。

日本でも女子サッカーの『なでしこリーグ』が1989年に創立されました。人気・集客数的にもまだまだアメリカのNWSLには遠く及びませんが、選手たちの実力はアメリカの選手に劣りません。2023年のワールドカップでの活躍が期待されます!

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