冬季オリンピック新種目!山岳スキー(スキーモ)とは?ルールや注目選手を解説

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冬季オリンピック新種目!山岳スキー(スキーモ)とは?ルールや注目選手を解説

近年、ウィンタースポーツ界で注目を集めている競技が山岳スキー(スキーモ)です。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックから正式種目に採用されたことで、世界的な注目度が一気に高まりました。

本記事では、「山岳スキーとは何か」という基本から、競技ルール、オリンピック種目としての位置づけ、そして世界で活躍する注目選手までを詳しく解説します。これから山岳スキーを知る人にも分かりやすく、かつ競技の奥深さが伝わる内容を目指します。

目次

山岳スキー(スキーモ)とは?

山岳スキー(スキーモ)は、これまで一部の登山愛好家やヨーロッパの山岳地帯を中心に楽しまれてきた競技です。まずは、競技の概要と歴史を見ていきましょう。

競技の概要

山岳スキーは、「スキーマウンテニアリング」の略称として「スキーモ(SKIMO)」とも呼ばれています。スキーを履いた状態で雪山を登り、滑り降りることを競技化したスポーツです。

最大の特徴は、リフトなどの人工設備を使わず、自分の脚力で山を登り、技術で滑り降りる点にあります。競技者はスキー板に「シール(滑り止め)」を装着して登坂し、頂上付近でシールを外して一気に滑降します。この登りと下りを繰り返しながら、スピードと持久力、そして滑走技術を競います。

山岳スキーの歴史と発展

山岳スキーの起源は、19世紀後半のヨーロッパ・アルプス地域にあるとされています。厳しい冬の山岳地帯での移動手段としてスキーが使われ、その延長として山を登り、滑り降りる文化が自然に生まれました。

競技として本格化したのは20世紀に入ってからで、アルプス諸国を中心に大会が開催されるようになります。特にフランス、イタリア、スイス、オーストリアなどでは、山岳スキーが長い伝統を持つ競技として定着しています。

他のスキー競技との違い

山岳スキーは、アルペンスキーやクロスカントリースキーとは明確に異なります。

アルペンスキーは滑降スピードとターン技術が中心、クロスカントリースキーは平地〜緩斜面での持久力が中心ですが、山岳スキーは登坂・滑降・装備操作すべてを含む総合力競技が最大の魅力です。

冬季オリンピック正式種目へ

山岳スキーは、ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックから正式種目として採用されることが決まりました。これは山岳スキー界にとって歴史的な出来事でした。

これまで冬季オリンピックでは、アルペンスキーやクロスカントリースキーといった「滑る競技」が中心でしたが、山岳スキーは登る要素が競技の核となる点で大きく異なります。オリンピック種目化により、競技の国際的な普及と競技人口の増加が期待されています。

山岳スキーの主な種目

山岳スキーには複数の競技形式があります。主なものには、以下のような形式があります。

スプリント

短距離・短時間で行われる種目。

急登・滑降・担ぎなど、山岳スキーの要素がコンパクトに詰め込まれています。スピードと瞬時の判断力が求められます。

個人戦(インディビジュアル)

長距離・高低差の大きいコースを制する最も伝統的な形式。持久力、登坂技術、滑降技術のすべてが試されます。

リレー

数人でチームを組み、交代しながらコースを進む形式。チームワークと戦略性が重要です。

山岳スキーの基本ルール

山岳スキーのルールは、国際スキー登山連盟(ISMF)が定めています。基本的なポイントは以下の通りです。

  • 競技中は基本的にリフト使用不可
  • 登坂時はスキーにシールを装着
  • 下りではシールを外して滑走
  • 一部区間ではスキーを担いで歩く場面もある
  • 安全装備(ビーコン、ショベル、プローブなど)の携行が義務付けられる場合もある

これらのルールにより、自然環境への対応力と安全意識が非常に重要な競技となっています。

世界で活躍する注目選手

ここでは、山岳スキー界の注目選手を紹介します。

キリアン・ジョルネ(スペイン)

山岳スキー(スキーモ)界において、生ける伝説として君臨するのがキリアン・ジョルネです。スカイランニングやトレイルランニングの世界王者としても知られる彼は、冬の主戦場である山岳スキーにおいても世界選手権で数多くの金メダルを獲得してきた、まさに「山の皇帝」と呼ぶにふさわしいアスリートです。

一方で、彼は山岳スキーのオリンピック種目採用に対して慎重なスタンスをとっています。オリンピックが競技の知名度を上げることは認めつつも、「スキーモの本質は、自然の地形を読み、山全体を自由に駆ける冒険性にある」と考えており、オリンピックのスプリント種目のように「ルールでガチガチに固められた競技」に変貌することに懸念を表明してきました。

現在は競技志向のレースよりも、より自然と一体化するロングエッジなプロジェクトや環境保護活動に注力しています。

オリオール・カルドナ・コール(スペイン)

ミラノ・コルティナ五輪で男子スプリントの初代王者に輝いたのは、大会前から優勝候補筆頭と目されていたスペインのオリオール・カルドナ・コールでした。激しい降雪の中で行われた男子スプリント決勝では、終盤の登りで猛烈なスパートをかけ、2分34秒03でフィニッシュ。スペインにとって1972年札幌五輪以来、実に54年ぶりとなる冬季五輪金メダルをもたらした英雄となりました。

その卓越した戦術眼とスタミナは、キリアン・ジョルネに続く次世代のスターであることを世界に証明しました。

上田絢加(うえだ・あやか)(日本)

元サントリー社員という異色の経歴を持つ上田。山岳マラソン(スカイランニング)の国内トップ選手でもあり、冬はスキーモ、夏はスカイランニングという「二刀流」で活躍しています。

2023年、2025年の世界選手権に出場した他、2023年のワールドカップ(フランス)では、混合リレーで日本勢初となるA決勝進出(11位)という快挙を成し遂げました。

遠藤健太(えんどう・けんた)(日本)

遠藤健太は、新潟県を拠点に活動するシステムエンジニア兼アスリートです。

日本代表として長く活躍し、上田選手とのペアでワールドカップのミックスリレー決勝進出したこともあります。日本男子スキーモ界を牽引する存在です。

まとめ

山岳スキー(スキーモ)は、登坂と滑降を融合させた唯一無二のウィンタースポーツです。

冬季オリンピック正式種目への採用により、今後さらに世界的な注目を集めることは間違いありません。

競技としての奥深さ、自然との共存、そしてアスリートの総合力が試される点は、他のスキー競技にはない魅力です。これからの冬季オリンピックや国際大会で、山岳スキーがどのように発展していくのか、大きな期待が寄せられています。

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