7大会連続でW杯に出場した、サッカー日本代表。サムライブルーの戦いは、またしてもベスト8の壁に阻まれ、ベスト16で幕を降ろしました。
プレーヤーは新しい景色を見ることができませんでしたが、もう1人の日本人がサッカーW杯の歴史にその名を刻みました。その人物が「山下良美」さんです。2022年のカタールW杯で、史上初めて選ばれた女性審判が3名の内の1人です。
そんな山下さんですが、あまりニュースでも取り上げられていなくてご存じない方も少なくないと思います。そこで、今回はカタールW杯でも活躍した山下良美さんについてご紹介していきます!
山下良美のプロフィール
まずは、山下良美さんのプロフィールをまとめていきます。
- 氏名:山下良美(やましたよしみ)
- 生年月日:1986年2月20日
- 年齢:36歳(カタールW杯開催時点)
- 出身地:東京都中野区
- 出身校:東京都立西高等学校→東京学芸大学
4歳の時に地元のサッカースクールでサッカーを始めた、山下良美さん。都立西高校卒業後は「東京学芸大学」に進学し、女子サッカー部で活動していました。2008年に大学の部活を引退した直後、先輩である女子審判員の坊薗真琴さんに誘われ、高校生の大会に行ったのをきっかけに審判資格の取得を始めました。
山下良美の経歴
大学卒業後も社会人クラブでのプレーを続けながら、審判資格を取得していく山下さん。ここからは、審判としての経歴をまとめていきます。
2011年
なでしこリーグにて、初めて副審を務める。(浦和レッドダイヤモンズレディース対福岡J・アンクラス)
2012年
女子1級審判員の資格を取得。
2013年
なでしこリーグにて、初主審を務める。(常盤木学園高等学校対AC長野パルセイロ・レディース)
2015年
国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判に登録。
2016年
FIFA U-17女子W杯ヨルダン大会に審判団として参加。
2018年
FIFA U-17女子W杯ウルグアイ大会に審判団として参加。
AFCカップ主審(ヤンゴン・ユナイテッドFC対ナガワールドFC)※史上初、女性を中心とした審判団が男子競技のAFC主催大会を担当。
2019年
1級審判員登録。男子社会人の試合を担当できるようになる。
FIFA 女子W杯に審判団として参加。
2021年
J3にて、初主審を務める。(Y.S.C.C.横浜対テゲバジャーロ宮崎)※Jリーグ初女性主審
東京オリンピック女子サッカー開幕戦にて、主審を務める。
2022年
AFCチャンピオンズリーグにて、主審を務める。(メルボルン・シティFC対全南ドラゴンズ)※ACL史上初女性主審
JFAとプロフェッショナルレフェリー(PR)契約を締結。
J2にて、初主審を務める。(大宮アルディージャ対東京ヴェルディ)
FIFAワールドカップの審判団に選出され、グループリーグ6試合に第4審として出場。
山下良美の忘れられない試合とは?
これまでに数多くの試合で主審などを務めている山下良美さんですが、ご自身が「忘れられない試合」と表現している試合があります。
その試合は、2015年12月27日に等々力競技場でおこなわれた皇后杯決勝・INAC神戸対アルビレックス新潟の一戦です。この試合は、2011年のドイツW杯で初優勝に輝いて以来注目が集まっていた女子サッカーの立役者・澤穂希さんの引退試合で、2万人を超す観客が集まりました。
その試合で主審を務めていた山下さんは、澤さんの劇的な決勝ゴールにスタジアムが沸いている様子を見て
決勝を任されて、その責任や重圧を感じましたが、それらを感じられる立場にいることは、とても光栄なことだと思いました。あの試合の笛を吹きながら、これだけ人を惹きつけられるんだ、と、日本の女子サッカーの力を感じました
と話しています。この試合が山下さんのバックボーンとなっているようです。この試合があったからこそ、2022カタール W杯の大会前に行われたインタビューで、大会への意気込みについて、「とにかくサッカーの魅力を引き出すために全力を尽くす」と語っていました。
これからもたくさんの試合を捌いていく中でこの試合で感じたことは一生大切にされるのでしょう。
最後に
女性審判として多くの歴史を作っている、山下良美さん。審判のスタートは大学の先輩に誘われて嫌々だったそうですが、今や世界を代表する女性審判の1人となっています。これからも多くの歴史を作り続けていくことでしょう!プレーヤーと合わせて山下さんにも注目ですね!