2025年の世界選手権東京大会の男子35㎞競歩で、銅メダルを獲得し、競歩界を牽引する勝木隼人。そんな勝木隼人は所属が自衛隊となっています。また、引退勧告されたことも話題です。家族や経歴とともに紹介していきます。
自衛隊に所属してるって本当?
勝木隼人は、自衛隊に所属しています。自衛隊の中でも自衛隊体育学校というところに所属しています。2025年9月現在の階級は、幹部自衛官(一等陸尉)です。所属地は、陸上自衛隊朝霞駐屯地です。では、自衛隊体育学校とはどのようなところなのでしょうか。
自衛隊体育学校とは
国際大会で活躍できるトップアスリートを育成し、メダル獲得を通じて隊員の士気高揚と日本のスポーツ振興に寄与することや、部隊で隊員の体育訓練を指導する中核となる幹部の育成を目的として、創設された学校です。勝木隼人は、特別体育課程に所属しています。この課程は、国際級の競技選手を育成する課程です。所属選手は、自衛官としての身分でありながら、競技に専念することができるのです。競技施設はもちろんのこと、指導者やスポーツドクター、理学療法士などのケア体制も充実しており、競技に集中できるようになっています。勝木隼人は自衛隊での訓練も受けながら、このような環境で世界舞台でメダルを目標に競技が出来ているのです。
引退勧告された?
勝木隼人は引退はしておらず、現役として活躍しています。しかし、2024年頃に一度所属先より引退勧告をされています。その原因は何だったのでしょうか?そして、どのような経緯で現役続行となったのでしょうか。
引退勧告の背景
勝木隼人は、2021年東京五輪に、内定者が辞退したことを受けて、繰り上げ出場となりました。しかし、靴ひもがほどけるハプニングがあり、50㎞競歩で30位となったことで、無力感を味わいました。その後、世界選手権や五輪の出場を逃す結果となり、2024年2月の日本選手権20㎞競歩でも11位に終わりました。東京五輪後に、50㎞競歩が廃止されたことも合わさり、所属先の自衛隊体育学校から引退勧告を受けたのです。その時、勝木隼人は、「終わったと思った」と引退を覚悟したとのちに話しています。
復活への道のり
勝木隼人は自衛隊からの引退勧告後、引退を覚悟しましたが、同時に「何も成し遂げていない」という思いもあり、現役続行を決意し、2024年3月全日本競歩能美大会20㎞に出場しました。そこで、優勝したことにより、現役続行が所属先より容認されたのです。その後も猛暑の中多い日は、60㎞、月1100㎞近く歩き込む努力をしました。また、厚底シューズへの対応や歩型違反の課題の克服などを行い、2025年世界陸上では自身初のメダルである銅メダルを獲得し、復活となったのです。
家族構成を紹介!
勝木隼人は、妻と子供二人の4人家族です。2016年に結婚されたようですが、奥様は一般の方で、詳しい情報は公表されていません。子供は6歳の長男と、3歳の長女二人がいます。第一子の長男誕生時には、責任感や頑張らないとという気持ちが増したと言います。また、第二子の長女誕生時には、Instagramで誕生を報告し、大会のために家族と離れる寂しさもあることを話していました。さらに、2025年9月の世界選手権競歩35㎞で銅メダルを獲得した際に、家族が競技を支える上で大きな存在であると以下のように話していました。
”家族が近くにいて、子供といるときのほうが心が整って、暑い中でも練習が出来たと思う。”(引用:サンスポ)
また、子供たちにメダルを取ってねと言われていたこともリラックスできる要因であったようです。
勝木隼人の経歴
勝木隼人は、競歩選手としてはベテランとなってきています。そんな勝木隼人はどのような歩みをしてきたのでしょうか。これまでの経歴や成績を紹介していきたいと思います。
学生時代
勝木隼人は、中学校時代に陸上を始めました。高校に進学後、中距離である800mに取り組みました。箱根駅伝にあこがれ、2009年東海大学に進学し、陸上を続けます。しかし、1年生のころから、怪我が続き、一時はマネージャーを務め、競技から離れていました。2年生の春にコーチより、競歩を誘われ、始めました。すると、才能をすぐに発揮し、同年の秋の日本インカレ10000mで5位入賞となったのです。そして、その半年後の日本選手権20㎞では、7位と好成績を収めました。大学3. 4年生の時の日本インカレは優勝し、連覇を成し遂げます。
卒業後~社会人
勝木隼人は、4年生の時は故障の影響で結果がでず、創業後は実業団等入ることなく、地元福岡でアルバイトをしながら競技を続けました。2014年に一般採用で勝木隼人は自衛隊に入り、これまでの競技成績から2015年に自衛隊体育学校への加入が認められたのです。そのことにより、競技に集中できる環境と生活の安定を得られました。そして、2017年全日本高畠競歩大会では、自己新で初の主要大会で初タイトルを獲得しました。その後も力をつけ、2018年世界チーム競歩選手権で、逆転の上、金メダルを獲得したのです。2023年混合35㎞競歩団体で銀メダルを獲得。2024年の引退勧告後は、自己新記録を更新しながらも個人優勝には至らず、苦戦の大会でした。しかし、2025年3月の日本選手権35㎞では、日本歴代4位の自己新記録で優勝します。そして、2025年の世界陸上東京大会で銅メダル獲得という快挙を成し遂げたのです。このメダル獲得は、勝木隼人の中で、これまで結果を残せていなかったことへの「リベンジ」だったようです。2028年のロサンゼルス五輪も目指すと発言しており、さらなる上のメダル獲得も楽しみとなっています。
まとめ
勝木隼人は自衛隊に所属している競歩選手です。成績不振に陥り、一度は引退勧告を受けました。しかし、勝木隼人の努力により、結果を出すようになったことによって、現役続行となっています。35歳となった現在でもベテラン選手として、現役を続けています。今後の活躍にも期待していきたいですね。









