【北京2022】冬季パラリンピック 6競技を紹介!

いよいよ2022年3月4日より北京パラリンピックが開幕しました。本大会には29名の日本代表選手が出場します。前回の平昌パラリンピックでは、金メダル3個を含む計10個のメダルを獲得した日本代表。今回の北京パラリンピックでも多くの日本代表選手にメダル獲得の期待が寄せられています。そこで、今回は冬季パラリンピックの6競技についてまとめいきたいと思います。

パラリンピックについて

パラリンピックとは、身体障害者(肢体不自由、脳性麻痺、視覚障害、知的障害)を対象とした障害者スポーツの世界最高峰の大会ですが、オリンピックとパラリンピックとでは同じ競技でもルールや使用する道具が異なることをご存じですか?それらを理解した上でパラリンピックを観戦すると、より一層競技を楽しめると思います。

北京2022冬季パラリンピックの概要!

北京2022パラリンピック 日程は2022年3月4日(金)~3月13日(日)までの全10日間。開催地は中華人民共和国の首都・北京で、6つの会場で熱戦が繰り広げられます。本来なら、2020年に東京での夏季パラリンピック開催後、2022年に冬季パラリンピック開催となり、実質1年半の間が空きます。しかし、今回はパンデミックの影響で東京パラリンピックが1年延期し、夏季・冬季の間がわずか半年となりました。

競技種目一覧と各競技の日本人注目選手

パラリンピック 種目は雪上競技(アルペンスキー・クロスカントリースキー・バイアスロン・スノーボード)と氷上競技(アイスホッケー・車いすカーリング)の計6競技78種目となります。

アルペンスキー

花形競技であるアルペンスキーは下記5種目が実施されます。

  • 滑降(ダウンヒル)
  • スーパー大回転(スーパーG)
  • 大回転(ジャイアントスラローム)
  • 回転(スラローム)
  • スーパー複合(スーパーコンビ)

障害ごとに立位(スタンディング)、座位(シッティング)、視覚障害(ビジュアリーインペアード)の3カテゴリーに分けられ、さらに障害の種類や程度などによって19のクラスに分けられます。クラスごとに係数が設定され、完走タイムにその係数を掛けて出たタイムで順位が決定します。

アルペンスキーの注目選手!村岡桃佳(むらおか ももか)

村岡桃佳選手は、埼玉県深谷市出身の24歳。4歳の時に横断性脊髄炎に感染し車いす生活になりました。中学生の時にチェアスキーと出会い、2018年平昌パラリンピックでは出場全5種目で金を含む5つのメダルを獲得する偉業を達成しました。

2019年からはスキーと陸上の“二刀流”に挑戦。2020年東京パラリンピックでは陸上女子100m(車いすT54)に出場し6位という結果を収めました。今大会では日本選手団主将も務める村岡桃佳選手、前回大会を上回る金メダル獲得に期待がかかります!

クロスカントリースキー

クロスカントリースキーは、立位、座位、視覚障害の3カテゴリーに分かれてメダルを争います。この3カテゴリーは、さらに障害の種類や程度などによって15のクラスに分けられます。順位はアルペンスキーと同様、完走タイムにクラスごとに設定された係数を掛けた計算タイムで順位が決まります。また、立位と視覚障害のカテゴリーでは下記2種目が実施されます。

  • クラシカル走法(専用のカッターで作られた二本の溝を滑る)
  • フリー走法(主にスケーティング走法を用いる)

クロスカントリースキーの注目選手!新田佳浩(にった よしひろ)

新田佳浩選手は、岡山県出身の41歳。冬季パラリンピックには4大会連続出場を果たしており、ニックネームは「レジェンド」です。3歳の時に祖父が運転していたコンバインに巻き込まれる事故に遭い、左前腕を負傷し切断。その翌年、4歳からスキーを始めました。

前回の平昌パラリンピックでは、10kmクラシカル立位で金メダル、1.5kmクラシカル スプリント立位で銀メダルを獲得しています。世界からも絶賛されるクラシカル・テクニックで今大会でも金メダル獲得を目指します!

バイアスロン

クロスカントリースキーと射撃を組み合わせた競技で、距離別にショート、ミドル、ロングの3種目が実施されます。バイアスロンは射撃の技術はもちろんのこと、持久力と集中力が求められる過酷な競技です。バイアスロンに関しても、立位、座位、視覚障害の3カテゴリーで争われ、障害の種類や程度などにより15のクラスに分けられます。

バイアスロンの注目選手!阿部友里香(あべ ゆりか)

阿部友里香選手は、岩手県出身の26歳。出生時に左腕に障害を負います。中学1年生の時にバンクーバーパラリンピックのスキー競技をテレビで見て、本格的にスキーを始めます。中学卒業後は地元の高校に進学し、小学校時代から続けていたバレーボールとスキーを両立させるつもりでいました。しかし、東日本大震災での被災をきっかけにスキーの強豪校である岩手県立盛岡南高等学校へ進学し、スキーに専念します。

2014年のソチパラリンピックから3大会連続の出場となり、クロスカントリースキーとバイアスロンの2競技に出場します。これまでパラリンピックでのメダル獲得経験がありませんので、今大会ではぜひメダル獲得を目指して頑張ってほしいです!

スノーボード

前回の平昌パラリンピックから競技に加わったスノーボード。出場選手は、腕や足に障害がありながらも立ったまま滑ることができる選手で、下肢障害のSB-LL1、SB-LL2、上肢障害のSB-ULの3カテゴリーに分けられ、タイムを競います。パラリンピックでは、下記2種目が実施されます。

  • スノーボードクロス(こぶやカーブ、ジャンプ台などが設置されたコースを使用)
  • バンクドスラローム(バンクと呼ばれる角度のあるコーナーがいくつも設置されたコースを決められたとおり通過する)

スノーボードの注目選手!小栗大地(おぐり だいち)

小栗大地選手は、愛知県出身の41歳。元々プロのスノーボーダーだった小栗大地選手は、32歳の時に勤務中に落下してきた鉄板の下敷きになり、右太ももから下を切断しました。しかし、その4か月後には義足のスノーボーダーとしてゲレンデに戻ります。

前回の平昌パラリンピックでは、バンクドスラローム(LL1)で6位、スノーボードクロス(LL1)では7位という結果でした。今大会では初のパラリンピック表彰台を目指して、大舞台での最高のパフォーマンスを期待しています!

アイスホッケー

下肢に障害がある選手が専用のソリ「スレッジ」に乗り、プレーします。通常のアイスホッケーと同じリンクを使用し、ゴールの大きさや使用するパックも同じです。短いスティックを左右の手に1本ずつ持ってプレーしますが、アイスピックが付いているグリップエンドで氷を押しながら前後に進みます。また、巧みにスティックを持ち替えて、反対側のブレード部分でパスやシュートを繰り出します。選手が激しくぶつかり合うアイスホッケーは「氷上の格闘技」と言われ、転倒はもちろん、スティックが折れてしまうこともあるほど迫力満点です。

アイスホッケーの日本代表チームは、2021年11月に行われた「北京2022パラリンピック最終予選」で惜しくも敗れ、今大会出場の夢は叶いませんでした。

車いすカーリング

北京オリンピックではカーリング女子日本代表チームが銀メダルを獲得し、日本国内ではカーリング人気が急上昇中です。車いすカーリングは男女混合の競技で、1チーム5人編成(1人リザーブ)。日常の生活で使う車いすを使用。ルールは基本的にオリンピックのカーリングと同じですが、専用ブラシでアイスをこするスイープがありません。そのため、ストーンを投げるデリバリーがより重要となります。直接手でストーンを投げることができない時にはデリバリースティックという補助具を使います。オリンピックは10エンドですが、パラリンピックは1試合8エンド制で戦います。

車いすカーリング日本代表チームは、残念ながら3大会連続でパラリンピック出場を逃しています。

まとめ

今回は【北京2022】冬季パラリンピック 6競技についてまとめてみました。先に開催されたオリンピックでも多くの感動と勇気をもらいましたが、パラリンピックからはさらなる感動が生まれるのではないでしょうか。選手一人ひとりが自らの障害を乗り越えて掴んだ世界の大舞台です。北京パラリンピックの表彰台で一人でも多くの日本人選手の笑顔が輝くことを心から願っています!

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